• Home
  • お役立ちコラム
  • 傷害事件で逮捕されたらどうなる?「つい手を出してしまった」場合の対処法を刑事事件専門の弁護士が解説

傷害事件で逮捕されたらどうなる?「つい手を出してしまった」場合の対処法を刑事事件専門の弁護士が解説

傷害事件で逮捕されたらどうなる?「つい手を出してしまった」場合の対処法を刑事事件専門の弁護士が解説

「口論になり、カッとなって相手を殴ってしまった」、「相手に詰め寄られ、とっさに突き飛ばしてしまった」、「けがをさせるつもりはなかったが、相手が転倒してけがをしてしまった」…日常生活の中で起きた一瞬のトラブルから、傷害事件の被疑者となってしまうことがあります。最近では、著名人が傷害の疑いで逮捕されたというニュースが大きく報じられることもあり、「一度手を出しただけでも逮捕されるのか」「傷害罪で逮捕されたらどうなるのか」と不安に感じている方もいるでしょう。傷害事件は、必ずしも計画的に起こるものではありません。口論や人間関係のトラブルから、感情的になってしまい、突発的に発生するケースもあります。しかし、「つい手を出してしまった」場合であっても、相手にけがを負わせれば刑事事件になる可能性があります。この記事では、傷害罪がどのような犯罪なのか、傷害事件で逮捕された場合にどのような手続が進むのか、そして逮捕された本人や家族がどのように対応すべきなのかについて、刑事事件を専門に取り扱う弁護士が解説します。

ご相談をお急ぎの方は、03-6772-3587までお電話をお願いいたします。お電話での初回のご相談は無料となっております。

お問い合わせフォームはこちらお問い合わせ|刑事弁護のプロフェッショナルJIN国際刑事法律事務所

目次

1.傷害罪とは?

傷害罪は、人の身体を傷害した場合に成立する犯罪です。

典型的には、

  • 相手を殴って打撲を負わせた
  • 蹴って骨折させた
  • 相手を突き飛ばし、転倒させてけがを負わせた
  • 物を投げつけて相手にけがをさせた

といったケースが考えられます。

刑法204条では、傷害罪の法定刑について「15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」と定めています。「一度殴っただけだから大した事件ではない」、「けがをさせるつもりはなかった」と思うかもしれません。しかし、傷害罪には拘禁刑も定められており、決して軽く考えることのできない犯罪です。

2.暴行罪と傷害罪の違い

暴行罪と傷害罪の違いについて、相談時によく質問を受けます。分かりやすい違いの一つが、相手に「傷害」が生じているかどうかです。たとえば、相手を殴ったもののけがをしなかった場合には、暴行罪が問題となります。一方、同じように殴った場合でも、その結果として打撲や骨折などのけがを負わせれば、傷害罪が問題となります。

つまり、「一発殴った」という同じ行為であっても、その結果によって問題となる犯罪が変わる可能性があります。刑法208条では、暴行罪の法定刑について「2年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と定めています。

3.「つい手を出してしまった」場合でも逮捕される?

傷害事件では、逮捕される可能性があります。ただし、傷害事件を起こしたからといって、必ず逮捕されるわけではありません。刑事事件には、被疑者を逮捕・勾留して捜査を進める「身柄事件」と、身柄を拘束せずに捜査を進める「在宅事件」があります。

どちらになるかについては、事件の重大性や悪質性、逃亡のおそれ、証拠隠滅のおそれなどの事情を踏まえて判断されます。たとえば、事件直後に被害者や周囲の人が110番通報し、警察官が現場に駆け付けたケースでは、その場で逮捕されることがあります。

一方で、事件当日は逮捕されず、後日警察から呼出しを受け、在宅事件として捜査される場合もあります。「逮捕されていないから事件になっていない」とは限りません。

警察から事情聴取の連絡を受けている段階でも、今後の対応を慎重に検討する必要があります。

4.傷害事件で逮捕されたらどうなる?

傷害事件で逮捕されると、警察署などで身柄を拘束され、取調べを受けることになります。警察に逮捕された場合、警察は原則として48時間以内に被疑者を検察官へ送致します。そして、逮捕後、最長72時間以内に、検察官による勾留請求、起訴、または釈放のいずれかの手続がとられます。検察官が勾留を請求し、裁判官がこれを認めると、原則10日間、さらに必要がある場合には最長10日間、勾留が延長されることがあります。つまり、逮捕後に勾留まで続けば、身柄拘束が長期間に及ぶ可能性があります。仕事や学校、家庭生活への影響を考えても、逮捕直後の対応は非常に重要です。

5.逮捕された直後にすべきこと

  1. 焦って取調べで話しすぎない:突然逮捕されると、「全部説明すれば分かってもらえる」、「正直に話せばすぐ帰れる」と思い、警察官から聞かれたことにすべて答えてしまう方がいます。しかし、取調べで何を話すかについては慎重な判断が必要です。特に、「殴ったことは間違いないが、相手から先に手を出された」、「殴ったのではなく、振り払っただけだ」、「手が当たったことは認めるが、故意ではない」、「相手のけがが本当に自分の行為によって生じたのか分からない」など、事実関係に争いがある場合には注意が必要です。被疑者には黙秘権があります。もちろん、すべての傷害事件で黙秘すべきということではありません。重要なのは、自分の事件について何を話し、何を話さないのかを、証拠関係や今後の見通しを踏まえて判断することです。
  2.  できるだけ早く弁護士と接見する:逮捕された場合には、早い段階で弁護士と接見することが重要です。弁護士との接見では、具体的にどのような容疑をかけられているのか、取調べにどのように対応するのか、黙秘すべきか、今後勾留される可能性があるか、早期釈放に向けて何ができるか、被害者との示談を進めるべきか、どのような証拠を確保する必要があるか、などについて検討します。逮捕後は時間が限られています。特に、勾留による長期の身柄拘束を回避したい場合には、逮捕直後からの弁護活動が重要になります。
  3. 自分に有利な証拠をできるだけ早く確保する:傷害事件では、当事者同士の言い分が食い違うことが少なくありません。たとえば、「一方的に殴った」とされていても、実際には相手から先に暴力を振るわれていたり、双方がもみ合いになっていたりすることがあります。また、「殴った」とされている行為について、実際には相手を振り払っただけというケースもあります。このような場合に重要になるのが、客観的な証拠です。防犯カメラやドライブレコーダーの映像、事件前後のLINE・SNSのやり取り、目撃者、自分自身が負ったけがの写真や診断書などが重要な証拠になることがあります。特に防犯カメラやドライブレコーダーの映像は、一定期間が経過すると上書きされてしまう可能性があります。逮捕されている本人が証拠を集めることは困難です。そのため、弁護士や家族を通じて、どのような証拠が存在するのかを早い段階で確認することが重要です。
  4. 被害者に直接連絡しない:「謝罪したい」「示談したい」という気持ちから、本人や家族が被害者に直接連絡しようとすることがあります。しかし、傷害事件では慎重に対応する必要があります。本人には純粋に謝罪するつもりしかなくても、被害者側からすれば、加害者本人やその家族から突然連絡が来ること自体が大きな負担になることがあります。また、連絡の内容によっては、供述を変えるよう求めている、事件について口裏合わせをしようとしているなどと受け取られるおそれもあります。特に逮捕・勾留が問題となっている段階では、被害者や関係者への働きかけが、証拠隠滅のおそれを判断する事情となる可能性もあります。謝罪や示談を希望する場合には、自分で被害者へ連絡するのではなく、まず弁護士に相談し、適切な方法で進めることが大切です。
  5. 家族や勤務先への対応を検討する:逮捕による影響は、刑事手続だけにとどまりません。身柄拘束が続けば、仕事を無断で休むことになったり、学校へ行けなくなったりする可能性があります。特に会社員の場合、「勤務先に逮捕されたことをどこまで伝えるべきか」「欠勤についてどのように説明するか」という問題が生じます。もっとも、逮捕されたからといって、勤務先に事件の詳細をすべて説明しなければならないとは限りません。事件の内容や本人の立場、身柄拘束の見通しなどを踏まえ、誰に、どこまで、どのように説明するのかを検討する必要があります。また、家族に対しては、今後の手続の見通しを共有するとともに、必要な身の回りの対応を依頼することも考えられます。逮捕後の社会生活への影響をできる限り小さくするという意味でも、早期の身柄解放を目指すとともに、家族や勤務先への対応について弁護士と相談しておくことが重要です。

6.傷害事件では示談が重要になることがある

実際に相手にけがをさせてしまった場合には、被害者への謝罪や被害回復を検討することになります。そこで重要になることがあるのが「示談」です。示談では、治療費や慰謝料などの被害弁償について話し合うだけでなく、謝罪の意思を伝え、被害回復を図ることになります。示談が成立したという事情は、検察官が起訴・不起訴を判断する際などに考慮される可能性があります。ただし、事件後に本人や家族が被害者へ直接連絡することには注意が必要です。被害者が接触を望んでいない場合もあります。また、本人にはそのつもりがなくても、連絡の内容によっては「供述を変えるよう求められた」「圧力をかけられた」などと受け取られる可能性があります。特に逮捕前であれば、そのような行為が証拠隠滅のおそれを判断する事情として問題となることも考えられます。示談を希望する場合には、弁護士を通じて連絡を取ることを検討した方がよいでしょう。

7.傷害事件で「相手にも原因がある」場合はどうする?

傷害事件では、当事者双方の言い分が大きく異なることがあります。たとえば、「相手から先に殴られた」、「相手に胸ぐらをつかまれたので振り払った」、「相手が何度も挑発してきた」、「自分は殴っておらず、相手が転倒しただけだ」といったケースです。このような事件では、「相手が悪い」と主張するだけではなく、客観的な証拠を確認することが重要です。

具体的には、

  • 防犯カメラ
  • ドライブレコーダー
  • スマートフォンで撮影された動画
  • 目撃者
  • LINEやSNSのメッセージ
  • 通話履歴
  • 事件前後の写真
  • 自分自身が負ったけがの写真や診断書

などが重要な証拠となることがあります。特に防犯カメラやドライブレコーダーなどは、時間が経過すると映像が上書きされてしまう可能性があります。事件直後だからこそ確保できる証拠もあるため、早期に証拠関係を確認することが重要です。

8.正当防衛になる可能性は?

傷害事件では、相手から先に暴力を振るわれ、それを防ぐために反撃したというケースがあります。このような場合には、正当防衛が成立する可能性があります。刑法36条1項は、「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」と定めています。もっとも、「相手が先に手を出した=必ず正当防衛になる」というわけではありません。たとえば、相手から殴られた直後に身を守るために反撃した場合と、相手からの攻撃が終わった後に腹を立てて追いかけ、殴り返した場合とでは、法的な評価が異なります。また、相手から実際に殴られていなくても、正当防衛が問題となる場合があります。正当防衛に必要なのは、すでに攻撃を受けていることではなく、「急迫不正の侵害」が存在することです。そのため、相手が殴りかかろうとしているなど、目前に迫った攻撃から身を守るために行動した場合には、実際に殴られる前であっても正当防衛が成立する可能性があります。

一方、相手から暴力を受けておらず、単に暴言や侮辱などの挑発を受けて腹を立てて殴ったという場合には、通常、それだけで正当防衛が成立するわけではありません。しかし、相手による挑発が事件の発端となっていたのであれば、その事情がまったく無意味になるわけでもありません。どのような言葉をかけられていたのか、挑発がどの程度執拗だったのか、どのくらいの時間続いていたのか、本人がその場から離れようとしていたのに相手が追いかけてきたのかなど、事件に至った具体的な経緯は、処分や量刑を判断する際に考慮される事情となる可能性があります。さらに、「殺す」などと告げながら凶器を示して迫ってきた場合など、言葉だけではなく具体的な危険が目前に迫っているケースでは、単なる「挑発」の問題ではなく、急迫不正の侵害があったとして正当防衛が問題となる可能性があります。したがって、傷害事件では「どちらが先に殴ったか」だけを見るのでは十分ではありません。事件直前のやり取り、双方の位置関係、相手の言動、攻撃の態様、反撃したタイミングや程度などを具体的に検討する必要があります。

防犯カメラ、録音、目撃者、LINEやSNSのやり取りなど、事件の経緯を示す客観的な証拠が存在する場合には、早い段階で確保することが重要です。「自分も手を出したから正当防衛にはならない」と自己判断して事実関係を曖昧にするのではなく、事件全体の状況を正確に整理した上で、正当防衛が成立する可能性がないかを検討する必要があります。

9.傷害事件でも不起訴になることはある?

傷害事件で逮捕されたとしても、必ず起訴されるわけではありません。捜査を行った結果、犯罪を認定するための証拠が不十分であれば、不起訴となることがあります。また、犯罪を行ったこと自体について証拠がある場合であっても、犯罪の軽重や情状、犯罪後の事情などを考慮し、検察官が起訴を必要としないと判断して起訴猶予となる場合があります。そのため、「実際に手を出してしまったから、もう弁護士に相談しても意味がない」ということはありません。事実を認める事件であれば、被害者への謝罪や被害回復、示談、再発防止策など、その時点からできる弁護活動があります。一方、「そもそも殴っていない」、「相手から一方的に暴行を受けた」、「正当防衛だった」、「相手のけがと自分の行為との関係に疑問がある」という場合には、安易に事実を認めず、客観的な証拠を確認したうえで対応する必要があります。

10.家族が傷害事件で逮捕されたら

家族から突然、「夫が逮捕された」、「息子が警察署にいるらしい」と聞かされた場合、家族としては何をすればよいのか分からないと思います。警察から詳しい事情を聞くことができない場合もあります。

まずは、

  • 逮捕された日時
  • 本人がいる警察署
  • 容疑となっている事件
  • 事件が起きた日時や場所
  • 被害者との関係

など、分かる範囲で情報を整理してください。逮捕直後は家族が本人と自由に面会できない場合があります。一方、弁護士であれば本人と接見し、事件について直接事情を確認したうえで、取調べへの対応や今後の弁護方針を検討することができます。

11.「つい手を出してしまった」場合にやってはいけないこと

傷害事件を起こしてしまったとき、焦りからかえって状況を悪化させてしまうことがあります。

特に注意したいのは、

  • 被害者に何度も電話やメッセージを送る
  • 被害者に供述を変えるよう頼む
  • 事件に関するLINEやSNSのメッセージを削除する
  • 防犯カメラなどの証拠について虚偽の説明をする
  • 関係者と口裏合わせをする

といった行為です。事件後に焦って証拠を消したり、関係者へ働きかけたりすると、その行為自体がその後の捜査や身柄判断に影響する可能性があります。「どうすれば不起訴になるか」を考える前に、まず現在の状況を正確に整理することが重要です。

12.傷害事件は「初動」が重要

傷害事件は、計画的な犯罪だけではありません。ほんの数分の口論から感情的になり、人生で初めて警察に逮捕されてしまう人もいます。しかし、「やってしまったから、もうどうしようもない」と諦める必要はありません。一方で、「一発殴っただけだから大丈夫」と軽く考えることも適切ではありません。

傷害事件では、事案に応じて、

  • 取調べへの対応
  • 早期の身柄解放に向けた活動
  • 被害者への謝罪や示談
  • 防犯カメラなどの証拠の確保
  • 不起訴に向けた検察官への働きかけ
  • 再発防止策の検討

など、早い段階から行うべき対応があります。特に逮捕された事件では、限られた時間の中で重要な判断をしなければなりません。

傷害事件で逮捕された・警察から呼出しを受けた方へ

弁護士法人JIN国際刑事法律事務所は、刑事事件を専門的に取り扱う法律事務所です。傷害事件についても、事件直後の警察対応、逮捕・勾留への対応、取調べへの対応、被害者との示談交渉、不起訴に向けた弁護活動など、事件の状況に応じた弁護活動を行います。

「家族が傷害事件で突然逮捕された」

「口論になって、つい相手に手を出してしまった」

「警察から傷害事件について呼出しを受けている」

「被害者と示談したいが、どうすればよいか分からない」

「自分の認識とは違う内容で傷害事件として捜査されている」

このような場合には、できるだけ早い段階でご相談ください。

逮捕された事件だけでなく、まだ逮捕されていない段階でのご相談にも対応しています。

ご相談をお急ぎの方は、03-6772-3587までお電話をお願いいたします。お電話での初回のご相談は無料となっております。

お問い合わせフォームはこちらお問い合わせ|刑事弁護のプロフェッショナルJIN国際刑事法律事務所



監修
弁護士 佐々木魁士

名城大学法学部法学科を卒業後、慶應義塾大学法科大学院を修了。司法試験合格後、最高裁判所司法研修所にて司法修習(77期)を修了し、弁護士登録。磯貝・宇佐美法律事務所で実務経験を積んだ後、2026年、弁護士法人JIN国際刑事法律事務所に入所。 刑事弁護に強い志を持ち、困難な状況に置かれた依頼者一人ひとりと真摯に向き合うことを信条とする。事件の表面的な事実だけで人を判断することなく、その背景や置かれた状況まで丁寧に汲み取り、依頼者にとって最善の結果を実現するため、粘り強い弁護活動に取り組んでいる。

お問い合わせ

お問い合わせ

Contact

まずはお気軽にご相談ください。

逮捕後72時間が分岐点です

逮捕後72時間が分岐点です。今すぐご相談を。

初回相談無料 / 東京・関東・名古屋・東海エリア対応