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不法投棄で警察から呼び出されたら?廃棄物処理法違反の刑罰・逮捕と対処法

不法投棄で警察から呼び出されたら?廃棄物処理法違反の刑罰・逮捕と対処法

「いらなくなった物を空き地に捨ててしまった」、「粗大ごみを他人の土地に置いてきてしまった」、「警察から不法投棄について話を聞きたいと電話があった」、「防犯カメラに車のナンバーが映っていたらしい」…このような場合、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)違反として刑事事件になる可能性があります。

「ごみを捨てただけだから、それほど大きな問題にはならない」と考える方もいるかもしれません。しかし、不法投棄は法律で禁止されている行為であり、場合によっては警察による捜査の対象となります。一方で、不法投棄を疑われたからといって必ず逮捕されるわけではありません。また、そもそも捨てた物が法律上の「廃棄物」に当たるのか、本人が投棄したといえるのかなどが問題となる事件もあります。この記事では、不法投棄とは何か、どのような場合に犯罪になるのか、警察から呼び出された場合の対応、逮捕の可能性、不法投棄をしてしまった場合にすべきことについて解説します。

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目次

1.不法投棄とは?

不法投棄とは、簡単にいえば、ごみなどの廃棄物を、法律に従った方法によらず、みだりに捨てる行為です。廃棄物処理法16条は、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と定めています。この規定は、産業廃棄物を扱う業者だけを対象にしたものではありません。一般の個人であっても、廃棄物をみだりに捨てれば、不法投棄として廃棄物処理法違反が問題となる可能性があります。

2.どのような行為が不法投棄になる?

典型的なのは、山林や空き地などにごみを捨てるケースです。しかし、不法投棄が問題となる場面はそれだけではありません。

例えば、

  • 山林や河川敷にごみを捨てた
  • 他人の土地に粗大ごみを置いた
  • 家具や家電を道路脇などに放置した
  • 建築廃材などを適切に処分せず投棄した
  • 事業活動で発生した廃棄物を勝手に捨てた

といった行為でも問題となることがあります。

また、「捨てる」という言葉から、ごみを投げ捨てる場面をイメージするかもしれませんが、単に物をその場所に置いて立ち去った場合でも、不法投棄が成立する可能性があります。環境省の通知でも、不法投棄について、廃棄物を投げる、置く、埋める、落とすなどの行為が想定されています。

3.自分の土地なら何を捨てても大丈夫?

「他人の土地ではなく、自分の土地だから問題ない」と考える方もいるかもしれません。

しかし、自分が所有する土地であっても、「廃棄物」に当たるものを、処分する目的でみだりに埋めることはできません。

例えば、次のようなものを「不要になったから地中に埋める」という行為は、不法投棄として問題になる可能性があります。

  • 家庭ごみ、粗大ごみ
  • 廃プラスチックやビニール類
  • 廃家電、家具
  • コンクリート片、がれき、建築廃材
  • 金属くず、ガラスくず
  • 廃油などの液体状の廃棄物
  • 事業活動によって生じた産業廃棄物

ポイントは、「何を埋めたか」だけでなく、その物が法律上「廃棄物」に該当するかどうかです。したがって、たとえば自宅の庭に不要になった家具や廃材を埋めて処分する場合、「自分の土地だから自由に処分できる」という理由だけで適法になるわけではありません。

一方、土砂や自然石などは、状況によっては廃棄物処理法上の「廃棄物」に当たらないこともあります。ただし、名称だけで判断できるものではなく、物の性状、排出の状況、通常の取扱い、取引価値、占有者の意思などを総合的に考える必要があります。

そのため、「自分の土地だから不法投棄にはならない」と自己判断するのは危険です。

4.少量のごみでも不法投棄になる?

「大量の産業廃棄物ではなく、少しだけだから大丈夫」と考えることもあるでしょう。

しかし、廃棄物処理法16条は、投棄する廃棄物について一定量以上でなければならないとは規定していません。

したがって、量が少ないという理由だけで、当然に不法投棄にならないわけではありません。

もっとも、実際の刑事処分を考える際には、投棄した物の種類や量、回数、場所、周辺環境への影響、投棄後の対応など、具体的な事情が問題となります。

5.不法投棄はどうやって発覚する?

「誰にも見られていないから大丈夫」と思っていても、不法投棄は投棄した後に証拠が見つかり、行為者が特定されることがあります。 特に、次のようなきっかけから発覚するケースが考えられます。

・防犯カメラの映像:店舗や住宅、駐車場、道路周辺などには多くの防犯カメラが設置されています。投棄した瞬間が映っていなくても、現場付近を通行した人物や車両の映像などから捜査が進むことがあります。

・車のナンバー:自動車でごみを運んだ場合には、現場付近の防犯カメラや目撃者によって車種やナンバープレートが確認され、車両の使用者などについて捜査されることがあります。

・捨てられたごみの中に残された情報:投棄されたごみ自体が手掛かりになることもあります。例えば、宛名の記載された郵便物、宅配便の伝票、領収書、書類などが残されていれば、そこから関係者が判明する可能性があります。

ただし、その人の名前が書かれた物が見つかったからといって、当然にその人自身が不法投棄をしたことになるわけではありません。実際に誰が捨てたのかは別途捜査されることになります。

・土地所有者や近隣住民からの通報:私有地や山林、空き地などへの不法投棄では、土地の所有者や管理者、近隣住民がごみを発見し、警察や自治体へ通報することがあります。

継続的に不法投棄が行われている場所では、発覚後にカメラを設置するなどして行為者の特定が進められる場合もあります。

・目撃者の証言:ごみを降ろしているところを近隣住民や通行人に目撃され、車両の特徴や日時などとともに通報されるケースもあります。

・会社や処理業者など関係者から発覚する:事業活動に伴う廃棄物の場合には、会社内部の調査、従業員や取引先からの申告、廃棄物の処理状況に関する確認などをきっかけに問題が発覚することもあります。

 

重要なのは、必ずしも、不法投棄された物から直ちに、誰が投棄したかが判明するわけではないということです。

例えば、捨てられたごみの中から本人名義の郵便物が発見されたとしても、それだけで本人が現場にごみを捨てたと直ちに断定できるとは限りません。

警察から不法投棄について連絡を受けた場合には、慌てて推測で説明するのではなく、いつ、どこで、何を、誰が処分したのかを整理したうえで対応することが重要です。

6.不法投棄で逮捕されることはある?

不法投棄は刑事罰の対象となる行為です。そのため、事案によっては逮捕される可能性があります。

もっとも、不法投棄が発覚したからといって、必ず逮捕されるわけではありません。

刑事事件では、逮捕の必要性について、逃亡や証拠隠滅のおそれなどを含めて判断されます。したがって、不法投棄事件でも、警察から呼び出しを受けて任意で取調べを受け、その後も在宅のまま捜査が続くケースは考えられます。一方、組織的・継続的な投棄が疑われている場合や、証拠隠滅などが問題となる場合には、より慎重な対応が必要です。

7.不法投棄は未遂でも犯罪になる?

不法投棄は、実際に廃棄物を捨て終える前であっても、未遂として犯罪が成立することがあります。

たとえば、山林や空き地に廃棄物を捨てようとして現場まで運び、車から降ろそうとしたところで発見・制止された場合などです。このようなケースでは、投棄が完了していなくても、不法投棄の実行に着手したとして未遂罪が問題となる可能性があります。

ただし、「捨てようと考えていた」というだけで未遂になるわけではありません。 現場へ廃棄物を運んだ経緯や、実際にどこまで行動していたのかなど、具体的な状況を踏まえて判断されます。

そのため、「実際には何も捨てていないから大丈夫」とは一概にいえません。 不法投棄を疑われているものの、実際には投棄していないという場合には、どの段階まで行為が進んでいたのかを正確に確認することが重要です。 

8.「捨てたつもりはなかった」という場合は?

不法投棄事件では、本当に廃棄物を「捨てた」といえるのかが問題になることがあります。例えば、「後で取りに戻るつもりだった」、「一時的に置いただけだった」、「他人に頼まれて荷物を置いただけだった」というケースです。

このような場合、本人の説明だけでなく、物の性質や状態、置いた場所、置いた期間、その後の行動など、具体的な事情から判断されることになります。

事実に争いがある場合には、「ごみを置いたことは事実だから」と安易に不法投棄を認めるのではなく、何が問題とされているのかを正確に確認することが重要です。

9.警察から不法投棄について電話が来たら?

不法投棄について警察から電話や呼び出しを受けた場合には、慌ててその場ですべてを説明するのではなく、まず何について事情を聞かれているのかを確認することが重要です。

警察からは、投棄した日時や場所、捨てた物の種類や量、誰が運んだのか、なぜその場所に置いたのかなどについて質問されることがあります。

このとき、記憶が曖昧な部分について推測で答えたり、早く終わらせたいという理由で事実と異なる内容まで認めたりすることは避けるべきです。特に、「置いたことは認めるが、捨てるつもりではなかった」「自分が捨てたものではない」など、事実関係に争いがある場合には慎重な対応が必要です。

また、警察から連絡がきたからといって、必ず逮捕されるわけではありません。呼び出しを受けて取調べを受け、その後も在宅のまま捜査が進むこともあります。

警察への出頭を求められた場合には、出頭前に刑事事件を扱う弁護士へ相談し、何を疑われているのか、取調べでどのように対応するのかを整理しておくことをおすすめします。

 10.不法投棄をしてしまった場合にやってはいけないこと

不法投棄が発覚した場合、焦って行動することで状況を悪化させてしまうことがあります。安易に以下のような行為はしないようにしましょう。

・防犯カメラや関係資料を消そうとする:自分に不利な証拠があるからといって、証拠を削除・廃棄することは避けるべきです。

・一緒にいた人と口裏を合わせる:「こういう説明にしよう」などと関係者に働きかけると、証拠隠滅を疑われる原因となる可能性があります。

・事実と違うことまで認める:複数回の不法投棄を疑われている場合などには、警察が把握している内容と本人の認識が一致しないこともあります。

早く終わらせたいという理由だけで、覚えていないことや自分が行っていないことまで認めるべきではありません。

・独断で関係者に接触する:土地所有者や目撃者などへ直接連絡することで、かえってトラブルになる場合があります。

被害回復や謝罪を考えている場合でも、まず弁護士に相談して対応方法を検討した方がよいケースがあります。

11.捨てたごみを自分で回収すれば大丈夫?

「捨てた物を回収すれば、事件にはならないのではないか」と考える方もいるでしょう。

しかし、後から廃棄物を撤去したからといって、すでに成立した犯罪が当然になくなるわけではありません。

もっとも、自ら撤去して原状回復を行ったことや、土地所有者などに生じた損害を回復したことは、その後の刑事処分を考えるうえで意味を持つ可能性があります。

ただし、捜査が始まっている場合には、現場に残されている物自体が証拠となっている可能性もあります。

したがって、警察から連絡を受けた後に、証拠を消すような形で勝手に現場を片付けることは避け、事前に弁護士へ相談することをおすすめします。

12.土地所有者と示談することはできる?

他人の土地に不法投棄した場合には、土地所有者との間で示談を検討できることがあります。

例えば、

  • 投棄した物を撤去する
  • 清掃・原状回復を行う
  • 撤去費用などを負担する
  • 謝罪する
  • 所有者等に生じた損害について賠償する

といった対応が考えられます。

もっとも、不法投棄は廃棄物処理法に違反する犯罪ですから、土地所有者と示談が成立すれば必ず刑事事件が終了する、というわけではありません。それでも、原状回復や被害回復を行い、その結果を捜査機関や検察官に適切に伝えることは、弁護活動を検討するうえで重要です。

13.不法投棄で不起訴を目指すには?

不法投棄事件で事実を認めている場合には、事件の内容に応じて、廃棄物の撤去・原状回復、土地所有者などへの謝罪、被害弁償や示談、再発防止策などを検討します。

一方、不法投棄をしていない場合や、誰が投棄したのかに争いがある場合には、安易に事実を認めるのではなく、客観的な証拠を確認する必要があります。

防犯カメラ映像、車両の移動記録、関係者の供述、廃棄物の内容などを確認し、捜査機関がどのような証拠に基づいて本人の投棄行為を認定しようとしているのかを検討することになります。

事実を認める事件と否認する事件では、取るべき弁護方針は大きく異なります。

14.不法投棄事件を弁護士に相談するメリット

不法投棄について警察から連絡を受けた場合や、不法投棄をしてしまい刑事事件になることが心配な場合には、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが重要です。

・警察の取調べに備えることができる:警察から呼び出しを受けた場合、事前に弁護士へ相談することで、何を疑われているのか、どのような質問が想定されるのか、どのように取調べに対応すべきかを整理することができます。特に、「物を置いたことは事実だが捨てたつもりはなかった」「自分が投棄したものではない」など、事実関係に争いがある場合には、安易に不利な供述をしないことが重要です。

・逮捕を避けるための対応を検討できる:不法投棄が発覚したからといって必ず逮捕されるわけではありません。事件の内容によっては、弁護士から捜査機関に対して、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことなどを説明し、在宅で捜査を進めるよう働きかけることも考えられます。

・原状回復や示談を適切に進められる:実際に不法投棄をしてしまった場合には、投棄した物の撤去や原状回復、土地所有者への謝罪や被害弁償などを検討することになります。

ただし、警察の捜査が始まった後に独断で現場の物を動かしたり、関係者へ連絡したりすると、かえって問題になることがあります。弁護士に相談することで、どのタイミングで、どのような方法で被害回復や示談を進めるべきかを検討できます。

・不起訴に向けた弁護活動を行うことができる:事実を認めている事件では、投棄した物の撤去、原状回復、被害弁償、示談、反省や再発防止などの事情を整理し、検察官に伝えることが考えられます。

一方、事実を争う事件では、防犯カメラ映像や関係者の供述などを踏まえ、本当に本人が不法投棄をしたといえるのかを検討する必要があります。不法投棄事件では、事実を認める場合と争う場合とで取るべき対応が大きく異なります。警察から連絡が来てからではなく、「不法投棄が発覚しそう」「警察に相談されたかもしれない」という段階から弁護士に相談することも可能です。

15.不法投棄・廃棄物処理法違反は弁護士法人JIN国際刑事法律事務所へ

不法投棄は、「ごみを捨てただけ」と軽く考えてしまいがちですが、廃棄物処理法によって禁止され、刑事事件となり得る行為です。また、不法投棄事件では、単に「捨てたかどうか」だけではなく、何を、どこに、どのような目的で置いたのか、誰が投棄したのか、問題となっている物が廃棄物に当たるのかなどが問題となることもあります。

弁護士法人JIN国際刑事法律事務所は、刑事事件を専門的に取り扱う法律事務所です。

「不法投棄をしてしまった」
「防犯カメラに映っているかもしれない」
「警察から突然電話が来た」
「廃棄物処理法違反で呼び出された」
「逮捕されないか心配している」
「土地所有者と示談したい」
「不法投棄を疑われているが、事実と違う」

このような場合には、警察で取調べを受ける前の段階からご相談ください。

ご相談をお急ぎの方は、03-6772-3587までお電話をお願いいたします。お電話での初回のご相談は無料となっております。

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監修
弁護士 佐々木魁士

名城大学法学部法学科を卒業後、慶應義塾大学法科大学院を修了。司法試験合格後、最高裁判所司法研修所にて司法修習(77期)を修了し、弁護士登録。磯貝・宇佐美法律事務所で実務経験を積んだ後、2026年、弁護士法人JIN国際刑事法律事務所に入所。 刑事弁護に強い志を持ち、困難な状況に置かれた依頼者一人ひとりと真摯に向き合うことを信条とする。事件の表面的な事実だけで人を判断することなく、その背景や置かれた状況まで丁寧に汲み取り、依頼者にとって最善の結果を実現するため、粘り強い弁護活動に取り組んでいる。

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