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ストーカー規制法とは?2025年改正で何が変わった?逮捕されるケースや弁護士に相談すべき理由を解説

ストーカー規制法とは?2025年改正で何が変わった?逮捕されるケースや弁護士に相談すべき理由を解説

近年、SNSやスマートフォンの普及により、ストーカー行為はより巧妙化・深刻化しています。実際に重大事件へ発展するケースも相次ぎ、ストーカー規制法はこれまで何度も改正されてきました。そして、2025年(令和7年)の法改正では、被害者保護をさらに強化するため、警察がより迅速に介入できる制度が導入されました。一方で、「相手と復縁したかっただけ」「連絡を取りたかっただけ」という認識で行った行為が、ストーカー規制法違反として捜査対象になるケースも少なくありません。本記事では、ストーカー規制法とはどのような法律なのか、2025年改正で何が変わったのか、逮捕された場合に取るべき対応について、刑事事件を専門とする弁護士が解説します。

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目次

ストーカー規制法とは

ストーカー規制法の正式名称は「ストーカー行為等の規制等に関する法律」といいます。恋愛感情や好意、または好意が受け入れられなかったことへの怨恨感情を満たす目的で、その相手や配偶者などに対して執拗なつきまとい等を行うことを規制する法律です。法律の目的は、ストーカー行為を処罰するだけではありません。

  • 被害者の生命・身体の保護
  • 警察による警告・禁止命令
  • 被害者支援

などを通じて、重大事件を未然に防ぐことを目的としています。

ストーカー行為をした場合には、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。また、公安委員会による禁止命令を受けたにもかかわらずストーカー行為を続けた場合には、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金と、より重い刑罰が定められています。

ストーカー規制法の対象となる行為

ストーカー規制法では、「つきまとい等」に該当する行為を繰り返すことで「ストーカー行為」となります。代表的な例として、以下が挙げられます。

  1. つきまとい・待ち伏せ:自宅付近で待つ、職場まで付いていく、帰宅途中に現れる、家の周囲をうろつくなどの行為です。
  2.  監視していると思わせる行為:例えば、「今コンビニにいるよね」、「今日○○駅にいたよね」など、相手が監視されていると感じる内容を伝える行為です。
  3. 面会や交際を執拗に要求する:会ってほしい、話し合いたい、復縁してほしい、と何度も要求する行為も対象になります。
  4.  拒絶された後も連絡を続ける:電話・SMS・LINE・メール・DMなどを執拗に送ることも対象となります。「返信がないから送り続けた」というケースでも問題になることがあります。
  5.  誹謗中傷・名誉を害する行為:SNSやメールなどで悪口を書き込むことも対象になります。
  6. わいせつな写真等の送信:性的な画像や動画を送りつける行為も規制対象です。

ストーカー規制法|2025年改正で何が変わった?

2025年の法改正では、被害者保護をさらに強化するための制度が整備されました。主な変更点は以下のとおりです。

  1.  被害者の申出がなくても警察が警告できるようになった:従来は、警察が加害者に警告を行うためには、原則として被害者からの申出が必要でした。しかし、報復が怖い・相手を刺激したくないといった理由から申出をためらう被害者も少なくありませんでした。改正後は、一定の場合には警察が職権で警告を行うことが可能となり、より早い段階で被害防止措置を講じられるようになりました。
  2.  紛失防止タグ(AirTagなど)の悪用が規制対象に:AirTagなどの紛失防止タグを無断で持ち物に取り付け、相手の位置情報を把握する行為が新たに規制対象となりました。GPS規制後に増加していた新たな手口への対応として導入された改正です。
  3.  勤務先・学校との連携強化:2025年改正では、被害者への援助主体として勤務先や学校が追加されました。これにより、警察だけではなく、勤務先や学校とも連携しながら被害者を保護する体制が強化されています。
  4. 情報提供の防止措置が強化:ストーカー行為を行うおそれがある者へ被害者の住所などの情報を提供することは従来から禁止されています。改正後は、警察本部長等が、情報提供を行うおそれのある第三者に対し、情報提供を控えるよう通知・要請できる制度も整備されました。

ストーカー事件で逮捕されることはある?

ストーカー事件では、被害者の生命・身体に重大な危険が及ぶおそれがあるとして、他の事件よりも早い段階で逮捕に至るケースがあります。もちろん、すべての事件で逮捕されるわけではありません。実際には、警察が任意で事情聴取を行い、そのまま在宅で捜査が進む事件も少なくありません。しかし、次のような事情がある場合には、逮捕される可能性が高まります。

  1. 警告や禁止命令を無視して行為を続けた場合:ストーカー規制法では、警察や公安委員会から警告や禁止命令が出されることがあります。それにもかかわらず、被害者へ連絡を続ける、自宅や勤務先へ押しかける、SNSやメールで執拗に接触するなどの行為を繰り返した場合には、法令を無視していると評価され、逮捕の可能性が高くなります。
  2. 被害者に対する危険性が高いと判断された場合:警察は、現在の行為だけでなく、「今後さらに危険な行為に及ぶおそれ」があるかどうかも重視します。例えば、「会えないならどうなるか分かっているだろう」などの威圧的なメッセージを送っている、深夜に自宅を訪れるなど行為がエスカレートしている、自宅や勤務先を執拗に訪れている、GPS機器やAirTagなどを利用して位置情報を把握しているといった事情があれば、被害者保護の観点から逮捕が選択されることがあります。
  3. 証拠隠滅や再犯のおそれがある場合:刑事訴訟法上、逮捕や勾留が認められるかどうかは、逃亡のおそれ、証拠隠滅のおそれなどが重要な判断要素となります。ストーカー事件では、これらに加えて、被害者へ再び接触し、被害が継続・拡大するおそれが重視される傾向があります。そのため、被害者へ何度も連絡を繰り返している、警察から注意を受けても接触をやめない、別の電話番号やSNSアカウントを使って連絡している、といった事情がある場合には、身体拘束の必要性が認められやすくなります。

ストーカー事件|逮捕後は勾留されることもある

逮捕されると、直ちに釈放されるとは限りません。検察官が勾留を請求し、裁判官が必要と判断した場合には、原則10日間、さらに延長されると最大20日間身柄を拘束される可能性があります。勾留中は、仕事や学校に行くことができず、社会生活に大きな影響が生じることも少なくありません。警察から連絡を受けた場合には、ご自身の判断だけで対応するのではなく、できるだけ早く刑事事件に精通した弁護士へ相談することをおすすめします。

ストーカー事件で逮捕された場合にやってはいけないこと

ストーカー事件で逮捕された場合、その後の対応次第で処分が大きく変わることがあります。良かれと思って取った行動が、かえって不利な事情として評価されることも少なくありません。逮捕された場合に特に注意すべき3つのポイントをご紹介します。

  1. 被害者に直接連絡を取ろうとしない:「誤解を解きたい」「謝罪したい」という気持ちから、被害者へ直接連絡を取ろうとする方もいます。しかし、本人だけでなく、家族や友人を通じてメッセージを伝えたり、SNSで接触を試みたりすることも避けるべきです。このような行為は、被害者にさらなる不安や恐怖を与えるだけでなく、再犯のおそれや証拠隠滅のおそれがあると判断され、勾留やその後の処分に悪影響を及ぼす可能性があります。謝罪や示談を希望する場合は、必ず弁護士を通じて行うようにしましょう。
  2. 自分の判断で供述を続けない:逮捕されると、警察による取調べが始まります。「早く帰りたい」「反省していることを伝えたい」という思いから、十分に考えないまま供述してしまうと、後から訂正することが難しくなる場合があります。事件によっては、認めるべき部分と争うべき部分を整理した上で供述することが重要です。また、黙秘権を行使することが適切なケースもあります。取調べへの対応は、刑事事件に精通した弁護士の助言を受けながら慎重に判断することが大切です。
  3. 証拠を消したり、関係者に口裏合わせを依頼したりしない:LINEやメール、SNSのメッセージを削除したり、スマートフォンのデータを消去したりすることは避けましょう。また、友人や知人に対して「こう説明してほしい」と依頼するなど、口裏合わせと受け取られる行為もしてはいけません。こうした行為は、証拠隠滅のおそれがあると判断され、身柄拘束が長引いたり、捜査や裁判で不利な評価を受けたりする可能性があります。

ストーカー事件で逮捕された場合、弁護士に相談すべき3つの理由

ストーカー事件で逮捕された場合、その後の対応次第で、勾留されるかどうか、不起訴になるかどうか、さらには今後の生活に与える影響まで大きく変わることがあります。ストーカー事件は、被害者保護の必要性や再犯のおそれが重視されるため、他の事件よりも身柄拘束が長引きやすい傾向があります。早い段階で刑事事件に精通した弁護士へ相談することが重要です。

  1. 早期釈放を目指すことができる:ストーカー事件では、「被害者に再び接触するおそれがある」と判断されると、勾留が認められやすい傾向があります。しかし、弁護士が早期に介入することで、勾留に対する意見書の提出・準抗告などの不服申立て・適切な監督体制があることの説明 ・被害者へ接触しない環境が整っていることの立証 などを行い、早期の釈放を目指すことができます。身体拘束が長引けば、仕事や学校への影響も大きくなるため、迅速な対応が重要です。
  2. 取調べへの適切な対応ができる:逮捕後は、警察や検察官による取調べが行われます。ストーカー事件では、ストーカー行為の認識があったのか・相手から拒絶されていることを理解していたか ・接触の回数や目的などが細かく確認されます。取調べで不用意な供述をすると、その後の裁判でも重要な証拠として扱われる可能性があります。弁護士であれば、どのような点に注意して供述すべきか・黙秘権を行使すべき場面か・不利な供述を避けるための助言などを受けることができ、適切な防御活動につながります。
  3. 不起訴や刑の軽減につながる可能性がある:ストーカー事件では、事案によっては不起訴処分となるケースもあります。弁護士は、被害者との示談交渉・被害回復に向けた対応・再発防止策の提案 ・反省状況や生活環境の整理などを行い、不起訴や刑の軽減を目指します。また、事案によってはストーカー規制法違反が成立するか自体を争うべきケースもあり、事件の内容に応じた適切な弁護方針を立てることが重要です。

ストーカー事件でお悩みならJIN国際刑事法律事務所へご相談ください

ストーカー事件では、逮捕直後の対応が、その後の事件の行方を大きく左右します。警察への供述内容や被害者への対応を誤ると、勾留が長引いたり、不利な証拠が積み重なったりする可能性があります。一方で、早期に弁護士へ相談することで、身柄解放、不起訴処分、刑の軽減など、より良い結果につながる可能性があります。JIN国際刑事法律事務所では、ストーカー事件を含む刑事事件に豊富な経験を有する弁護士が、逮捕直後から迅速に対応いたします。「家族がストーカー事件で逮捕された」「警察から連絡を受けた」「今後どうなるのか不安」という方は、お一人で悩まず、できるだけ早くご相談ください。

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監修
弁護士 中巻星栄

神奈川大学法学部法律学科、神戸大学法科大学院を経て、最高裁判所司法研修所(76期)修了。Authense法律事務所での執務を経て、弁護士法人JIN国際刑事法律事務所に参画。 これまで、殺人、殺人未遂、強盗致傷、不同意性交致傷、麻薬密輸などの重大刑事事件を多数担当し、捜査段階から裁判員裁判まで一貫した弁護活動を展開。綿密な証拠分析と高度な法廷技術を強みとする。 2024年より裁判員センターおよび刑事弁護委員会に所属。新規登録弁護士向け研修や裁判員裁判を前提とした法廷弁護技術研修の講師も務めるなど、刑事弁護実務の発展と後進の育成にも尽力している。

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